第八十四番札所 屋島寺
第八十三番札所「一宮寺」から第八十四番札所「屋島寺」へ、約14km徒歩約5時間、自動車約45分。)
屋島は高松市から瀬戸内海に突き出た半島で、標高293mの溶岩台地です。
那須与一の扇の的を射た海岸や、源義経の弓流しなどで有名な源平合戦の古戦場の史蹟で知られています。
この屋島の寺から結願の大窪寺まであと四ヶ寺。
旅の終盤を迎えたお遍路も、最後の札所、第八十八番札所「大窪寺」までもうひと踏ん張りです。
壇ノ浦を望む「屋島寺」
奈良時代に唐から来日した僧、鑑真。奈良に唐招提寺を開いたことで知られる名僧だが、ここ屋島にも足跡を残しています。
天平勝宝6年(754年)日本へやってきて奈良へ向かう途中に屋島に立ち寄り、屋島の北嶺に普賢堂を建てた。
これが第八十四番札所「屋島寺」のはじまりです。
はじめ北嶺にあった伽藍を現在地の南嶺に移ったのは、弘仁元年(810年)嵯峨天皇の勅願を受けた弘法大師による中興で、大師自ら十一面千手観音像を彫造し、本尊として安置した。
以後衰退した時期もあるが、江戸時代には高松藩主・松平氏らの庇護を受け再び栄えました。
源平合戦で兵士が血を洗ったとされる「血の池」
境内へは遍路コースを登って四天門から境内に入る。
車だと駐車場から境内へ向かう途中にある池は、源平合戦で兵士たちが血の付いた刀や槍を洗ったとされる「血の池」。
木立に囲まれて水をたたえた池からはとてもそのような印象はありません。
ちなみにこの池の本来の名称は瑠璃宝池という。薬師如来の慈悲の世界へと通じる池です。
血の池の先で山門をくぐると、前方に鐘楼、右手に大師堂や本堂が見えてきます。
鎌倉時代建立の本堂
歩き遍路は仁王門、その先に四天門があり、これをくぐると正面に単層入母屋造りの本堂が建つ。
この本堂は鎌倉時代末期の建造物だが、江戸時代初期に修理が施されているためか室町時代のような印象を受けます。(国の重要文化財に指定)
本尊の十一面千手観音像は平安時代の10世紀頃のものとされ、国の重要文化財です。
この本尊は隣接する宝物館で拝観することができます。
このほかに、宝物館では屋島合戦屏風など源平合戦の資料、雪舟の画など、多数の文化財を収蔵展示しています。
また、白い凝灰岩が雪のように見える石庭「雪の庭」も拝観できます。「宝物館入館料、大人:500円」
伝説のタヌキを祀る
本堂の右手にはタヌキの石像と鳥居があります。ここは太三郎狸というタヌキを祀る神社、蓑山大明神。
太三郎狸は変化の術で日本一と称され、日本三大名タヌキにも数えられます。
そのため、ジブリ映画「平成狸合戦ぽんぽこ」にも登場する有名なタヌキです。
屋島にはこんな伝説があります。
昔、霧が立ち込める屋島で道に迷ってしまった弘法大師。
蓑笠をかぶったタヌキが現れ、弘法大師の道案内をしたといいます。
その伝説のタヌキは「蓑山大明神」に祀られています。
タヌキは一夫一妻であるため、夫婦円満、縁結び、子宝などにご利益があるとされています。
次の第八十五番札所「八栗寺」までは約7kmの道程です。
南面山 屋島寺(なんめんざん やしまじ)
宗派:真言宗御室派
本尊:十一面千手観世音菩薩 開基:鑑真和上 創建:天平勝宝年間(749~756) 御詠歌:梓弓屋島の宮に詣でつつ折りをかけて勇む武夫 真言:おん ばさら たらま きりく 〒761-0111 香川県高松市屋島東町1808 アクセス:高松西インターチェンジから国道11号線南バイパス・国道11号線を東へ。マクドナルドのある交差点を左折しドライブウェイのゲートに着きます。 TEL:087-841-0111 拝観:境内自由 駐車場:ドライブウエー通行料(駐車料、時間制限なし)「普通車:630円」 宿坊:なし |
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四国八十八カ所地図
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お礼参り |