第六十八番札所 神恵院
第六十七番札所「大興寺」から第六十八番札所「神恵院」へ、約10km徒歩約2時間30分、自動車約20分。)
財田川の河口付近、瀬戸内海の海を見下ろす高台に広がる琴引公園。
その一角に神恵院と観音寺が同じ境内に建っています。
ここは四国八十八ヶ所の札所の中でも唯一、一つの境内に二つの札所が並んでいるのはとても珍しい霊場です。
境内入口の仁王門にも、二つの寺名が記されています。
モダンな建物の本堂「神恵寺」
琴弾山の中腹の同じ境内の中に、第六十八番札所「神恵院」と第六十九番札所「観音寺」二つの札所があります。
仁王門に向かって左側「神恵寺」、右側「観音寺」です。
一山に二ヶ寺あるのは、四国霊場中ここだけです。
納経所では2ヶ寺の納経が一度にできます。
現在の神恵寺「本堂」は、平成14年に完成したもので、鉄筋コンクリートに白木を組み合わせたモダンな建物です。
書院の背後にある山の斜面に岩石や流水を利用して造られた回遊式庭園があり、ツツジの名所としても有名です。
琴弾八幡宮との縁
二つの札所が共存するに至った背景には、同じ琴弾公園内にある琴弾八幡宮という古社が大きく関わっています。
琴弾八幡宮は大宝3年(703)創建。伝承では嵐の日に海上に漂う神船と琴を発見。
日証上人が浜辺に引き寄せてみると、中に宇佐八幡神の姿があったという。
上人は八幡神を乗せた船を引き上げ、社殿を造り「琴弾八幡宮」を建立して祀り、別当院として観音寺も開きました。
大同年間(806~810)に弘法大師がこの地を訪れ、琴弾八幡宮の本地仏である阿弥陀如来を描いて本尊として祀り、寺の名を琴弾八幡宮を「神恵院」に別当院を観音寺と定めました。
その後、明治初年の神仏分離令で八幡宮は琴弾神社と神恵院に分離され、神恵院は麓の観音寺境内に移転。
同時に八幡宮に安置されていた阿弥陀如来像も西金堂に移されました。
この西金堂が現在の神恵院となり、そしてかつての東金堂は観音寺本堂となったのです。
次の第六十九番札所「観音寺」隣接。
七宝山 神恵院(しっぽうざん じんねいん)
宗派:真言宗大覚寺派
本尊:阿弥陀如来 開基:日証上人 創建:大宝3年(703) 御詠歌:笛の音も松吹く風も琴弾くも歌うも舞うも法のこえごえ 真言:おん あみりた ていぜい からうん 〒768-0061 香川県観音寺市八幡町1-2-7 アクセス:大野原インターチェンジから高松市内向きに国道11号線・県道8号線へ。JR予讃線の踏切を越え、直進。財田川を渡れば琴弾山麓に駐車場があります。 TEL:0875-25-3871 拝観:境内自由 駐車場:普通車20台無料 宿坊:なし |
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四国八十八カ所地図
1番 霊山寺 | 31番 竹林寺 | 61番 香園寺
お礼参り |