第六十五番札所 三角寺
第六十四番札所「前神寺」から第六十五番札所「三角寺」へ、約45km徒歩約13時間、自動車約1時間)
伊予路「菩提の道場」を巡る最後の札所であり、伊予の関所寺ともいわれています。
標高826mの平石山の中腹、標高約450m付近に建つ三角寺。
昔は厳しい山道を登る難所でしたが、今は門前まで車で行くことができ、川之江、伊予三島の町並みと瀬戸内海の展望が開けています。
伊予の遍路旅の締めくくり「三角寺」
この寺へは急勾配の坂道を登って行き、参道入口からさらに70段余りの石段を上りきると、梵鐘が吊り下げられ鐘楼門になっている仁王門。
参拝者が罪の汚れを取り去るべく、鐘を撞いてから境内に入ります。
三角寺は平安時代初期に嵯峨天皇(在位809〜23)からの手厚い信仰をうけ発展、七堂伽藍を備えた大寺院となりました。
天正9年(1581)に、長宗我部軍の「天正の兵火」に遭い、多くの堂宇が焼失したが、本堂は焼失から免れて堂内の本尊の十一面観音像が安置されています。
安産・子育ての仏様
本尊の十一面観世音菩薩は古くから開運厄除けの観音とされ、子授けや安産にご利益があるといわれております。
ご祈祷をうけたお守りと腹帯が授けられ「子宝杓子」といって、子宝に恵まれない夫婦が寺で杓子を授かり、仲良く食事をすると子宝に恵まれると伝えられる。
成就すると新しい杓子を奉納するのが習いです。
三角の池
創建は天平年間(729~749)聖武天皇の勅願によって行基菩薩が開創したと伝えられています。
弘仁6年(815)当時は慈尊院と呼ばれていたこの寺に弘法大師が訪問した際に、本尊の十一面観音を彫って安置されました。
この時、不動明王も刻み、三角の護摩壇を築いて21日間の護摩修法がされました。
これにちなんで寺号は三角寺となったそうです。
大師堂と本坊の間にある「三角の池」という弁財天が祀られた池があるが、これは大師が21日間の護摩修法を行った護摩壇の跡と言われています。
俳人一茶も訪れた
本堂の前には樹齢300~400年といわれる山桜があり、春には淡いピンクの桜の花が境内を彩ります。
この山桜を見て感動したのが、江戸時代の俳人・小林一茶。
寛政7年(1795)この寺に訪れたとき「これでこそ 登りかひあり 山桜」と詠まれ、山桜のかたわらに句碑があります。
次の第六十六番札所「雲辺寺」までは約20kmの道程です。
由霊山 三角寺(ゆれいざん さんかくじ)
宗派:高野山真言宗
本尊:十一面観世音菩薩(伝弘法大師作) 開基:行基菩薩 創建:天平年間(729~749) 御詠歌:おそろしや三つのかどにもいるならば心をまろく慈悲をねんぜよ 真言:おん まか きゃろにきゃ そわか 〒799-0124 愛媛県四国中央市金田町三角寺甲75 アクセス:三島川之江インターチェンジから国道192号線に入ります。徳島方面に向かい、高速道路の下付近で右折、約3Km進み交差点を右折、その後直進すると正面にあります。 TEL:0896-56-3065 拝観:境内自由 駐車場:民営駐車場「普通車40台:200円」 宿坊:なし |
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四国八十八カ所地図
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