第四十五番札所 岩屋寺
第四十四番札所「大寶寺」から第四十五番札所「岩屋寺」へ、約10km(徒歩約3時間、自動車約30分、駐車場から本堂まで、徒歩約30分)
岩屋寺の参道入口には土産物店とお茶屋が並んでおり、観光地のような雰囲気になっています。
しかし、そこから参道に進むと一変しうっそうと杉木立の登山道を登ります。
ほとんどの遍路道では境内近くまで車で行けますが、ここでは坂道を約30分も登る札所です。
行場らしい佇まい「岩屋寺」
山門から長い坂道と266段ものきつい石段が続き、参道には石仏が建ち並び霊場らしい雰囲気に満ち溢れています。
さらに坂道を約30分登るとようやく寺の建物が見えてきます。
切り立った岩壁を背後にして堂宇が建つさまは、いかにも修験の場といった険しい雰囲気です。
山全体が本尊
寺は岩峰の中腹のわずかな敷地に建つ。
明治31年(1891)に火災でおおくを焼失してしまい、現在の本堂は昭和2年に再建されたものです。
背後にそそり立つ岩山が建物の上にまで大きくせり出して迫り、それは巨大な自然の屏風を立てたかのようです。
本堂から少し離れて木立に囲まれて建つ太子堂は、大正9年に再建され堂々とした建物です。
和洋折衷の特異な意匠ということで国の重要文化財に指定されています。
本堂より大師堂が大きいのは四国霊場では珍しいが、山全体が本尊とされているからである。
言ってみれば本堂は拝殿や遥拝所のような存在で、巨大なご本尊様に抱かれていくつかの堂宇が建っています。
法華仙人の伝説
伝説によると、昔この山中に法華仙人と称する不思議な神通力を持った女人が修行していました。
弘仁6年(815)弘法大師がこの地を訪れると、法華仙人は大師に深く帰依し、一山を大師に献じ近くの岩屋に移り住んで大往生を遂げたといいます。
そこで大師は木像と石像の二体を刻み木像は本尊として本堂に安置し、石像は仙人の行場であった洞穴に安置して山全体を不動明王として修法され「山高き谷の朝霧海に似て、松吹く風を波にたとえむ」と詠じて寺号を海岸山・岩屋寺と名付けたそうです。
法華仙人堂跡は本堂を覆いかぶさるような岩壁をよく見ると、上部に岩窟がいくつもありこの岩窟は行場です。
本堂脇に架けられたハシゴで上がり岩窟に入ると、小さな五輪塔が置かれています。
ここからは境内が一望できますが、不安定なハシゴということもあって眺めを楽しむどころではなかった。
大師堂の奥に続く山道を300mほど登った先、奥の院には弘法大師が練行を行った迫割禅定がある。
巨大な岩の割れ目に設けられて入口の木戸には施錠されています。
木戸の向こうへは岩山に架けられた鎖をたよりに岩山を登り、はしごを使って頂上へ向かうまさに修行の場です。
次の第四十六番札所「浄瑠璃寺」までは約25kmの道程です。
海岸山 岩屋寺(かいがいざん いわやじ)
宗派:真言宗豊山派
本尊:不動明王 開基:弘法大師 創建:弘仁6年(815) 御詠歌:だいしょうのいのる力のげにいわや石の中にもごくらくぞある 真言:のうまくさんまんだ ばざらだん せんだ まかろしゃだ そわたや うん たらた かんまん 〒791-1511 愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥1468 アクセス:松山インターチェンジから国道33号線を久万方面へ進みます。久万警察署を過ぎた次の信号で左折、県道12号線を走ります。久万公園前で右折、久万美術館を過ぎたら左折します。 TEL:0892-21-0044 拝観:境内自由 駐車場:普通車(300円)民間駐車場 宿坊:なし |
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