第二十一番札所 太龍寺
第二十番札所 「鶴林寺」から第二十一番札所 「太龍寺」へ、約7km(徒歩約3時間、自動車約20分。ロープウェイ10分)
標高600mの山中にある太龍寺も遍路ころがしの難所です。
それも今ではロープウェイでわずか10分で山頂駅に到着します。
車窓からは杉や檜が茂る森と、鶴林寺の三重塔や淡路島が見渡せます。
「西の高野」と呼ばれる名刹「太龍寺」
阿波でも屈指の難所とされています。
延暦12年(793)19歳の弘法大師空海が、太龍嶽(舎心嶽)の上で100日間もの厳しい山岳修行をした地です。
修行は「虚空蔵求聞持法」といい、一度見聞きしたものはすべて覚えるという、記憶力を最高に高める真言密教の秘法を得るためのものです。
ロープウェイ山頂駅を降りると目の前に118段の石段が伸び、このを上がると杉木立に囲まれた本堂が待っています。
本堂から右に参道が続き、少し行くと左手に上がる石段のうえには多宝塔が見えます。
多宝塔からさらに進み、左折すると大師堂。
杉木立に囲まれて建っており、建物の彫刻が印象的でした。
大師堂は裏手に御廟を設けており、四国霊場では珍しく拝殿と奥殿の二つの堂からなっています。
これは高野山の奥の院と同じ配置です。
太龍寺の本堂と多宝塔は、高野山壇上伽藍の金堂と大塔、御影堂の配置を連想させます。
こうしたこともあって、この寺は「西の高野山」とも呼ばれるようになりました。
山上に点在する堂塔
修行大師像が木立の中に立ち、そこから73段の石段を降りると堂々とした雰囲気の鐘楼門。
さらに石段を下ると納経所があり、本坊と並んで持仏堂、護摩堂、六角経蔵などが建っています。
持仏堂の大廊下には龍の天井画があります。
天井画は明治34年(1901)、高知県安芸市出身の画家「竹村松領」が描いたもので、修行中の大師を守ったと伝えられる大龍が描かれています。
ロープウェイ山頂駅へ引き返し進むと、寺の本来の玄関口である仁王門に出る。
この仁王門で巨大な金剛力士像に出迎えられてから境内に入ることができます。
この仁王門は鎌倉時代の建立といわれ、仁王像は八十八ヵ所の中では最大にして最古のともいわれています。
次の第二十二番札所「平等寺」までは約12kmの道程です。
舎心ヶ嶽(太龍嶽)
若き日の弘法大師が修行をしたといわれる地は、境内から700mほど南にある舎心ヶ嶽(太龍嶽)という岩場です。
山麓からロープウェイ山頂へ向かう途中に、眼下右手の山中にこの舎心ヶ嶽が見えます。
切り立った断崖の上に弘法大師の座像があり、山岳の厳しい自然に身をおく大師修行像があります。
現在、行くことができず、「立入禁止」ですので、遠望するのみです。
舎心山 太龍寺(しゃしんざん たいりゅうじ)
宗派:高野山真言宗
本尊:虚空蔵菩薩 開基:弘法大師 創建:延暦12年(793) 御詠歌:太龍の常にすむぞやげに岩屋舎心聞持は守護のためなり 真言:おん のうぼう あきゃしゃらばや ありきゃまり ぼり そわか 〒771-5173 徳島県阿南市加茂町龍山2 アクセス:JR桑野駅前から国道195号線を西へ。右手に喫茶店(カントリーロード)を見て、次の信号を右折すれば太龍寺ロープウェイ乗り場に着きます。 TEL:0884-62-2021 駐車場:ロープウエー利用の場合は、普通車150台無料。 宿坊:なし |
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太龍寺ロープウェイ
太龍寺ロープウェイは、徳島県那賀郡那賀町の鷲の里駅(道の駅鷲の里に併設)から阿南市の太龍寺駅を結ぶ四国ケーブルのロープウェイ路線です。
全長2,775mで西日本で最も長く、山・川越える珍しいロープウェイです。
太竜寺山の山頂に所在する四国八十八ヶ所第二十一番札所の舎心山太龍寺への直通路であり、多くの参詣者で賑わいます。
従来同寺は徒歩でしか登れないうえ、遍路ころがしの一つと呼ばれる難所でありましたが、この路線の開通で多くの参詣者で賑わいます。
「料金大人往復:2470円」101人乗り。
太龍寺ロープウェイのホームページ
四国八十八カ所地図
1番 霊山寺 | 31番 竹林寺 | 61番 香園寺
お礼参り |