第二番札所 極楽寺
第一番札所「霊山寺」から第二番札所「極楽寺」へ約1.5km(徒歩約30分、自動車約10分)
仁王門をくぐると左手に願掛け地蔵があります。
お地蔵さんの真言を唱え、 自身も精進努力する事を誓えば願い事が叶うといわれています。(安産・子授祈願)
また、境内には弘法大師お手植えの長命杉がそびえており、たくさんのお遍路さんが幹に触れ長命を願っていた姿が印象的でした。
安産大師、長命を授かる「極楽寺」
山に囲まれ静かな境内で、朱塗りの仁王門をくぐると極楽浄土をイメージしたような庭園造りの境内があらわれます。
本尊の阿弥陀如来は弘法大師が21日間の修行の末、感得した仏さまといい、その姿を刻んだ本尊です。(国の重要文化財に指定)
本尊の霊験の光があまりにも強く、遠く鳴門の海まで達し、それに魚が驚き逃げてしまったので不漁続きとなり漁師たちは困り果てたそうです。
そこで漁師たちは阿弥陀様にお願いして、本堂の前に小山を築いて光りを遮ったという故事から、「日照山」の山号が由来されています。
本尊は、慈愛に満ちた素晴らしい顔と評判のようですが、秘仏のために公開されていません。
次の第三番札所「金泉寺」までは約3kmの道程です。
仏足石(ぶっそくせき)
仏足石の由来はお釈迦様の足跡を石に刻んだもので、インドでは仏像が誕生する前、仏足石をお釈迦様として拝んでいました。
手で触れて礼拝すると功徳が授かると言われています。
こちらの仏足石は、足腰健康にご利益があります。
安産縁起
この寺の大師堂は安産大師とも呼ばれています。
子宝に恵まれない人には子宝を授けてくれ、妊娠した女性には安産させてくれるというご利益があるそうです。
それにはこんな逸話があります。
明治の頃、大阪の女性が大師の夢のお告げによって四国遍路を始めたが、ここにくると急に産気づいてしまいました。
しかし大師の再度のお告げによって、最後まで巡礼を続け帰宅し、無事男の子を出産したそうです。
その後お礼詣りをしたことから、安産祈願の人が絶えないようです。
長命杉
境内にそびえる杉の老巨樹があり、人々から「長命杉」と呼ばれています。
伝承によると、弘法大師が当山にて二十一日間の修法を終えられたのち、この木を自ら植えられて
行く末永くこの寺を守護するように祈願をこめられたと云われています。
そしてこの木の肌に触れると、その逞しい生命力の感応によって長命を保ち、 天寿を全うすることができるという信仰が永く伝えられ、長命杉の名が生まれました。
樹高31m以上にも及び、幹の周囲6mを越え樹肌に無数の深い亀裂と、そのため生じた荒々しい彫紋は巨大な龍の鱗を思わせます。
その蒼空を目指して真直に伸びる様は、丁度龍の昇天を想起させます。
少なくとも樹齢1200年を経たこの老巨樹の生命力は現在もなおその枝葉に緑を茂らせているのです。
この樹が人々の強い信仰の対象となっていることも当然のように思われます。
千年以上の風雪に耐えた老杉の霊気を受けると、長寿だけでなく病気平癒・身体健全・諸願成就が叶うと言われています。
現在、長命杉(鳴門市天然記念物)保護のために熱心な信者の寄進による柵がもうけられ、紅白の紐をつうじて霊気を受けるような作法となっています。
日照山 極楽寺 (にっしょうざん ごくらくじ)
宗派:高野山真言宗
本尊:阿弥陀如来(伝弘法大師) 開基:行基菩薩 創建:奈良時代(710~793) 御詠歌:極楽の弥陀の浄土へ行きたくば南無阿弥陀仏口ぐせにせよ 真言:おん あみりた ていせい からうん 〒779-0225 徳島県鳴門市大麻町檜字段の上12 アクセス:藍住インターチェンジから県道1号線を板野町方面へ進み次に県道12号線を鳴門市方面へ走ると左手にあります。 TEL:088-689-1112 拝観:境内自由 駐車場:普通車100台無料 宿坊:あり (100名様位宿泊できます) |
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「お接待」とは
お接待は、遍路をしている人に地元の方々が飲食物や手作りの品を提供する善根の施し「お布施」のことで、歩いているとみかんやお茶を頂きます。
昔の遍路は何十日もかかって、自動販売機も何もないところを歩きつづけたわけですから、遍路にとっては大変ありがたい風習だったのだと思います。
遍路は、こうしたお接待を受けたら、ありがたく受け止め「南無大師遍照金剛」と3回唱えて、自分の収め札を渡すのが礼儀とされています。
一般的な接待とは違っているところが興味深いですね。
四国八十八カ所地図
1番 霊山寺 | 31番 竹林寺 | 61番 香園寺
お礼参り |